EPOCH MAN 「我ら宇宙の塵」を観に新宿シアター トップスへ。

EPOCH MANとは俳優・脚本家・演出家の小沢道成氏が主宰するプロジェクトで、
2022年には「オーレリアンの兄妹」が第66回岸田國士戯曲賞最終候補作にノミネートされ、
本多劇場での一人芝居「鶴かもしれない2022」では1,300人を動員した実績でも知られます。

約2年ぶりの新作舞台にはケラリーノ・サンドロヴィッチ氏が主催する、
ナイロン100℃の舞台やドラマ/映画などの映像作品でも活躍する池谷のぶえ 他、
渡邊りょう、異儀田夏葉、ぎたろーと個性派俳優が出演。

作品は映像技術を駆使した5人芝居で壁一面にLEDビジョンが配置され、
舞台上には小学校低学年と思われる男児のパペットが
開演を待つ間、暗がりの中で床に横たわり異様な雰囲気・・・

物語は父を失い傷ついた男児と母、
そして導かれるように出会った3人の大人達による会話劇で、
それぞれにある痛みや苦しみとの向き合い方を描き、
男児は宇宙に瞬く星から生きる力を得て新たな一歩を踏み出すというもの。

作品は芸術性が高いとも、エキセントリックとも言えますが、
小沢氏の独創的な発想とそれを具現化する人間力あってこそです。

このような戯曲を書けるその才能は素晴らしく、
世俗に意識を絡め取られずご自身の世界を持ち続けられなければ、
決して生まれない作品だと感じました。

また、映像/映像送出/照明の技術なくしては成立せず
その見せ方とオペレートも光っており、
演者の実力は基より総合力の高い舞台でした。