外出自粛期間を活用し環境整備のため音源の整理をはじめたらまぁ大変。
CDやデータを含めざっと数えましたら保有音源は2万曲ほどあり、
仕事柄、仕方がないことではありますが常に増え続け、
どこかで整理をつけないことにはライブラリーは膨れ上がり収拾不可能に。
手放すか否かの判断は全てを今一度聴き直したうえでのこととなり時間を要しますが、
思わぬ再発見もあり貴重な時間となっています。

九州で仕事をしていた10年間はラジオ中心で選曲と向き合う日々で、
レコード会社のプロモーターの皆さんからいただくプロモーション盤に合わせ
毎週水曜日にリリースされるインディーズ盤を含めた新譜をCDショップへ足を運びチェックし、
関係者招待を頂戴するライブや観ておきたいライブを追いかけていた時間は財産で、
演出をする際の選曲の目利きや音源制作をするうえでの骨子となっています。

因みに言いますと、わたしの会社で制作する映像作品は
映像クリエイターと擦り合わせのうえ先に構成と音源を仕上げ
それに沿って制作を進めていく傾向が強く、
そんなことからも必要な音源を手元に置いておくことが求められます。

気になるのはどの楽曲もそこには作り手の魂が注入されていることで、
手放す選択をするとしてもそれを分かったうえでご縁がなかったと判断することになります。

けれども、肌に合うものとそうでないものがあるのも事実で、
全てをデータ化しクラウド上に保存しておくことも可能ではありますが、
自分とは遠いという結論が出ているものを手元に置き続けるのは何だか性に合わず・・・
といいますか、ある程度自分で把握できる範囲の保有音源数にしておかなければ、
いざというときに「使いそうな楽曲リスト」なるフォルダを作り
さらにそこから実際に現場で使用しそうなものを
ピックアップするというとても非効率な作業を強いられ、
これまで、そんな自分に度々嫌気がさしていたという事情が背景にあり、
その音源とさよならをする時には
「胸がチクリと痛むものは残す。そうでないものは潔く手放す」
そういった判断のもと強い意志で音源の仕分けをするに至りました。

都合、音楽が生活に密着した環境につき
読む人が読めば分かるけれどもそうでなければこの人は一体何を言っているんだろうと
思われるような内容となっていますが、
折を見ては音源整理を続けているこの数週間
当落線上にある作品に対し胸がチクリと痛むか否かを確認する日々は
まるで昔付き合っていた人の写真を捨てるか否かみたいな心境に思いがけずなっており、
精神衛生上あまり良いとは思えず早くこの作業を終えたいと切望する一方で、
「この曲こんなに良い曲だったっけ!?」という焼け木杭に火が付く瞬間
金脈を掘り当てたかのような妙な高揚感を覚えるところもあり、
謎の飴と鞭に支配され独り精神が迷宮入りしている今日この頃です。